新旧問わず、音楽に親しんできたタイナウ編集部ワタナベが、未体験だったタイポップを聴いて綴る音楽鑑賞記。「サワディワタナベ」は未知のタイポップへのサワディ=こんにちは のご挨拶です。
今回は(結果的に)億超えT-POP
MICROPHONE – THE OLD i$E (CD GUNTEE & DAWUT) です。
タイポップ、T-POPをあれこれ聴くようになって思っていたのが、「ラップがいいなー」ということ。
タイ語との相性や英語詩とのつながりがスムーズでシームレスに仕上がる所など、個人的な印象ですがタイのラップは関心事でした。
そうなるとタイのHIPHOPジャンルの楽曲も気になってくるわけで、おもしろそうな曲を漁っていたらこの曲に遭遇。
再生数を見てみたら2018年の公開から6年が経っていますが、累計1.8億回視聴(2025年3月現在)ということで、結果「億超えT-POP」ということになりました。
さて、この曲は歌、ダンス、作詞作曲から演技までなんでもできちゃうのCD GUNTEEがソロデビュー前、DAWUTと共に活動していたユニット、THE OLD i$E名義でリリースされた楽曲です。
曲、音について感じたこと。構成はシンプルなループミュージックで、音はシンセのピアノが全編を貫いていて、ドラマチックな展開もトリッキーな演出もありませんが、このループがじわじわ来る中毒性を生み出しています。
音づくりがまたいいですね。
ピアノもホーンもいかにもシンセでチープめな音色ですが、狙ってやってる感があってうまくいってます。
音については何でも生楽器生音収録がいいって訳ではありません。
楽器を模した似て非なる音の方が雰囲気つくることもあるんですよね。
このシンプルでチープなサウンドに、エフェクトのかかった分厚いボーカル(ケロケロボイスってやつですかね)が乗って絶妙なバランスに仕上がってます。
そんなこの曲、2023年にCDGunteeソロ名義でTHE FIRST TAKEに登場しています。
こちらは原曲とままた違うディスコ超の雰囲気でゴージャスなアレンジ。
ボーカルのエフェクトはほとんど感じられず、しかもキーが上がってますね。
歌唱力があがった上にパワフルになっていることも伺われるパフォーマンスです。
2022年のLIVEの動画もありました。これは原曲寄りだけどアレンジは加わってますね。
SEのバキューンバキューン入れすぎじゃないか?とは思いましたけど。
余計な話ですがCDGuntee含め演者全体的にタトゥー少なめ。
この方、ヒット曲も大胆にアレンジしたり、PVの演出やファッションも含め、かなりアイデアマンな印象。
それに、この先なんかやってくれそうな不敵なニヤリとした表情も印象的で、今後も注目のアーティストです。
[文・構成/タイナウ編集部 サワディーワタナベ]