2025年6月13日に日本公開を控えた、タイ映画『おばあちゃんと僕の約束』の試写会が開催され、脚本家による舞台挨拶とトークイベントも実施されました。
編集部もひと足早く本作を鑑賞し、深い感動に包まれたその体験をレポートします。
『おばあちゃんと僕の約束』は、2024年4月にタイで公開され、年間最大のオープニング興行成績を記録した話題作であり、タイ映画として史上初めて『アカデミー賞®』国際長編映画部門のショートリスト入りを果たしました。
物語の主人公は、大学を中退しゲーム実況者としての成功を夢見る青年・エム。
ある日、従妹のムイが祖父から豪邸を相続したことを知った彼は、自分にも何か得られるのではと期待し、お粥を売って一人で暮らす祖母・メンジュに近づきます。
最初は打算的な思いから始まった関係でしたが、慎ましくも誠実に生きる祖母の姿や考え方に触れる中で、エムの心に少しずつ変化が訪れていきます。
鑑賞後に涙する観客の姿がTikTokなどで話題となり、若者を中心にブームに。
大きなヒットへとつながりました。
ビウキン、映画初主演とは思えない表現力!
©2024 GDH 559 CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
“孫のエム”を演じたのは、タイの大人気スター、俳優・歌手としても活躍するビウキン(Billkin)ことプッティポン・アッサラッタナクン。
映画初主演とは思えないほどの演技力で、観客の心をがっちり掴みました。
「ビルキンの演技凄い!」という驚きとともに、彼の繊細な感情表現に編集部も思わず涙……。
さらに驚くべきは、ビルキンが本作の主題歌「Ever-Forever」まで担当しているという事実。
俳優としてだけでなく、音楽面でも作品に深く関わるそのマルチな才能に、編集部は観ながら思わず、天才か・・・と呟いておりました。
78歳で俳優デビュー!“おばあちゃん”役に驚きの新人登場
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まず何より驚かされたのは、主人公の“おばあちゃん”を演じたウサー・セームカム。
なんと78歳にして本作で俳優デビューを果たしたとのこと。(夢がある!!)
演技力があまりにも自然で圧巻だったため、編集部は「長年活躍してきた大女優に違いない」と本気で思い込んでしまいました。
いつもは知らない、タイの風景・文化に触れる貴重な機会
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本作は、祖母と孫の絆を描いた感動作でありながら、タイの風景や生活文化を感じられる作品でもあります。
作中には「タイのお墓ってこんな風なんだ!」「屋台でこんな料理が食べられるの!?」といった発見がたくさん。
タイの原風景や暮らしぶりに触れることで、より深く物語に引き込まれました。
初めてのタイ映画に涙、そして感動
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実は編集部、ドラマは見ているのですが、今回が「人生初のタイ映画」でした。
アメリカ、韓国、中国、香港、インド、フランスなど数々の映画を観てきたにもかかわらず、「なぜ今までタイ映画を観なかったのだろう!?」と心底後悔するほどの感動作。
文化も風習も違うはずなのに、登場人物の想いや日常に深く共感できるその力に驚かされました。
タイ映画初体験でも、言葉の壁を越えて感動を共有できる──そんな優しさと力強さを持った映画でした。
タイのご飯が好きな人、タイという国に興味がある人にはもちろん、家族との関係に思いを馳せたいすべての人におすすめしたい一作です。
『おばあちゃんと僕の約束』、そのタイトルに込められた想いを、ぜひスクリーンで受け取ってください。
笑って、泣いて、心があたたかくなる――そんな映画体験が、きっとあなたを待っています。
【作品概要】
タイトル:『おばあちゃんと僕の約束』(原題:Lahn Mah)
(英語タイトル:How to Make Millions before Grandma Dies)
監督・脚本:パット・ブーンニティパット(TV版「バッド・ジーニアス」)
脚本:トッサポン・ティップティンナコーン
製作:ワンルディー・ポンシティサック ジラ・マリクン
音楽:ジャイテープ・ラーロンジャイ
撮影:ブンヤヌット・グライントーン
編集:タマラット・スメートスパチョーク
出演:
プッティポン・アッサラッタナクン
ウサー・セームカム
サンヤー・クナーコン
サリンラット・トーマス
ポンサトーン・ジョンウィラート
トンタワン・タンティウェーチャクン
2024年/125分/タイ/原題:Lahn Mah/カラー/5.1ch/1.85:1
日本語字幕:小河恵理 後援:タイ国政府観光庁 配給:アンプラグド
『おばあちゃんと僕の約束』
6月13日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次公開
[文・構成/タイナウ編集部]