8月14日(水)、真夏の渋谷の空気は特別な熱を帯びていました。Spotify O-EASTの前には、開場時間よりはるかに早くから多くのファンが列をなし、通り過ぎる人々がその光景を振り返ります。
手にはペンライトやボード、手作りのうちわ、そして今日のために選んだコーディネート。それらひとつひとつから、この日彼らに会えることをどれほど待ちわびてきたかが伝わってきます。笑顔を交わしながらSNS用の写真を撮るファンもいれば、期待に目を輝かせて入場を待つファンもいます。全員に共通しているのは、心がすでにステージの向こう側へ飛び立っているということです。
この日、タイの12人組ボーイズグループBUSが日本で初めてファンミーティングを開催しました。「BUS 1st JAPAN FANMEETING 2025 “SAWASDEE KRUB TOKYO”」――そのタイトルには、遠く離れた日本のファンに「ようやく直接会える」という彼らの願いが詰まっていました。
会場に足を踏み入れると、すでに熱気は最高潮です。今回は携帯電話による写真撮影・動画撮影が許可されており、観客の多くがスマートフォンを片手に構えていました。開演前のBGMや会場のざわめきさえも大切に収めようと、シャッター音があちこちで響きます。フロアいっぱいに詰めかけた観客の視線はステージへと注がれ、その期待が空気を震わせていました。場内の照明がゆっくりと落ち、低く響くビートがフロアを包み込みます。静寂の中、12人が姿を現した瞬間、割れんばかりの歓声とペンライトの光が一斉に広がり、渋谷の夜が一気に鮮やかに輝きました。
オープニングを飾ったのは「BOSS IN THE BUILDING」。
守るべき存在のためにどんな困難も乗り越えるという決意が刻まれた歌詞を、鋭い視線と力強い動きで表現します。拳を突き上げる瞬間や全員の動きが揃う瞬間、その一つひとつが観客の心を掴んで離しません。「指を鳴らせば駆けつける」という忠誠と情熱を刻むフレーズのたびに、ファンは夢中でスマートフォンを掲げ、その瞬間を映像と心に焼き付けていました。
曲が終わると会場は歓声と拍手に包まれます。