Scrubb × Ichika Nito インタビュー|『Hippo』が描く新章と“アジアの響き”Ichikaとの出会い、楽曲に込めた想い、そして“アジア的サウンド”の源流を語る。

ThaiNow編集部

タイの音楽シーンを20年以上にわたって牽引してきた国民的デュオ、Scrubb(スクラブ)。
ボーカルのムアイとギターのボールは、学生時代からの長い友情で結ばれ、日常に寄り添う優しいメロディと詩的な世界観で、多くのファンに愛されてきました。

そんな彼らが今回コラボレーションしたのは、日本のギタリスト Ichika Nito(イチカ・ニトウ)。
独自の奏法と繊細な音の表現力で世界的に注目を集めるギタリストで、英国のギター誌『トータル・ギター』の「史上最も偉大なギタリスト100人」にも名を連ねた実力派です。
最新曲「Hippo」では、これまでの柔らかなサウンドイメージを一新し、アグレッシブなロックチューンに挑戦しています。“かわいらしいカバ”をテーマにしたタイトルに、Scrubbらしいユーモアと遊び心、そして新章の息吹が込められました。

そんな3人に、タイナウでは独占インタビューを実施。
20年を超えてなお進化を続けるScrubbのふたり、そして世界的ギタリストIchika Nitoが、今回のコラボレーションの裏側や楽曲「Hippo」に込めた想い、“アジアの音”が持つ可能性について語ってくれました。

響き合うサウンド、交わる感性――コラボ誕生の背景

―――今回の新曲で、Ichika Nitoさんと一緒に楽曲制作をしようと思ったきっかけは何ですか?Ichikaさんは、Scrubbのお二人からコラボレーションの話があったとき、どのように感じましたか?

ボール:
もともと彼の音楽のファンだったんです。実際に知り合う機会があって、以前から「もしチャンスがあれば一度一緒に仕事をしてみたい」と思っていました。

ichika:
ボールとはTHE TOYSとコラボのときに知り合ったのですが、一緒に楽曲を作ったことはなかったので今回誘ってもらえてとても嬉しかったです。

―――Ichika Nitoさんと初めて会った時の印象は? また、Ichikaさんから見た最初の印象についても教えてください。

ボール:
最初はすごく緊張しました。ファンとして彼を尊敬していたので。でも、彼がとてもシンプルで親しみやすい人だったので、すぐに打ち解けることができました。

ichika:
ボールはとても気さくでわりとすぐ仲良くなれました。

 

「Hippo」の名に込めた遊び心

―――「Hippo」というタイトルは、プロデューサーのFour(フォー)さんが所有するスタジオ「Happy Hippo Studio」の名前からインスピレーションを得て制作されたとのことですが、タイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?

ボール:
実は、最初はコードネームとして仮に決めたんです。でも、なんというか…可愛い響きだなと感じました。それに、この1年ほどタイでは「Hippo(ヒッポ)」という言葉に親しみを持つ人が多くて、というのも、子どものカバがいて、それが楽しくて可愛い存在なんです。だから、その“あまり深く考えない感じ”リラックスした雰囲気”をそのまま借りて、遊び心で曲名にしようと思いました。
曲自体がロックなので、あまり真面目すぎる印象にしたくなくて。これはただの小さな視点というか、ちっぽけな生き物の目線で見た考え方なんです。もしかしたら、その“生き物”っていうのも、別の種類の存在でもいいです。シンボルとしてカバ(Hippo)を選んだのは、見た目が可愛くて、「人を待っている」「一緒に遊んでほしい」みたいな雰囲気を出せるから。
そんな“可愛い瞬間”を、あえてロックな音にぶつけてギャップを作りたかったんです。

“檻の中のカバ”の視点で描く歌詞

―――歌詞では、檻の中のカバが人々に気づいてもらえるのを待っている様子が描かれています。Scrubbさんは、ご自身の経験や普段の生活からインスピレーションを得て詩を書くことが多いとおっしゃっていましたが、ご自身の経験を反映しているのでしょうか?ご自身の経験が元になっている場合は、どのようなご経験を参考にされたか教えていただけますか?

ボール:
ムアイ、ちょっと話してみる?何かある?

ムアイ:
ああ、実際のところ、そこまで個人的な話というわけではないんですが、「Hippo」というタイトルをつけたとき、自分を“檻の中のカバ”だと想像して書いたんです。
歌詞は、いろんな人に出会うカバの視点のような感じです。ぜひ歌詞を聴いて、自分がカバになったつもりで想像してみてください。そんな感覚が伝わると思います。
実はこの曲、悲しい曲なんです。

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