[写真 @4eve公式YouTubeより]
タイのバンコク出身のエディター、ギフト(←本名です)がタイの現地情報、タイポップの歌詞、スラング、ネット用語などを独自に読み解く!読めばもっと理解が深まる、楽しめる!
タイの人気ガールズグループ4EVE(フォーイブ)が新曲「รับจบ(Accept the End)」をリリースし、タイトルに使われているタイ語スラングが日本のファンの間でも注目を集めています。Billkin(ビウキン)でも使った「รับจบ(ラップジョップ)」という言葉はよくSNSで見かけますが、実は最近タイの日常会話の中でも広く使われている若者言葉です。
この記事では、「รับจบ」というスラングの本来の意味と、4EVEの楽曲ではどのように解釈されているのかをわかりやすく紹介します!
「รับจบ」とは?直訳とスラングとしての意味
「รับจบ」は直訳すると「終わらせるのを受ける」という意味を持つ言葉です。しかし、スラングとして使われる場合は“自分が大きな原因ではないのに、その場を収めるために面倒ごとを引き受けること”を指します。
この言葉が使われる状況はさまざまです。
・もともとまったく関係ないのに巻き込まれた場合
・少しだけ関わっているけど、本題のトラブルの原因者ではない場合
・当事者ではないのに責任だけ負わされる場合
いずれの場面でも、共通しているのは自分の責任以上の“後始末”を買って出る(または押し付けられる)役回りだという点です。
たとえば、友人同士の揉め事が起きたとき、本題の原因をつくったのは他の人なのに、「まあ、私が全部どうにかするよ」と収拾に走る人がいます。こうした「気の毒だけど、最終的に場を収める役」を担う人をタイでは「ตัวรับจบ(トゥアラップジョップ)」と呼びます。(ตัว=役)
多くの場合「損な役回り」「かわいそう」というニュアンスで使われるため、ややネガティブな印象を持つ言葉です。
冗談として軽く使うケースも
ただし、若者の間では冗談交じりで使われることもあります。友達同士で誰かがいじられ役になっているときに、「あいつ、いつもตัวรับจบ(トゥアラップジョップ)だよね」と笑いながらからかう、といった軽い使い方も一般的です。深刻な意味だけでなく、状況に応じてラフに使われることもあるスラングです。
実際の例として、次のような投稿がありました。
#Bbillkin (โดนบังคับ) รับจบ ตัวโดนสุด ๆ 🤭 #เหยื่อสังคม#Billkin_ตัวโดน
: https://t.co/d8scNrWyp7 #BillkinEntertainment pic.twitter.com/ZpYcN5l6Ti— Billkin Entertainment (@Billkin_Ent) February 12, 2025
投稿のキャプションを日本語に訳すと、「(強制的に)รับจบ。すごくตัวโดน(いじられ役)です 🤭 #社会の犠牲者」といったニュアンスになります。
この投稿は、ビウキンの新曲「ตัวโดน(トゥアドーン)」のプロモーションの一環で、ここで使われている「โดน(ドーン)」は「〜される/被害を受ける」という意味の言葉です。つまり、曲名の「ตัวโดน」は「いじられ役」「やられ役」といったニュアンスを持ち、“ตัวโดน=受け身の立場の人” という点で、「ตัวรับจบ(トゥアラップジョップ)」と近い意味合いがあります。
4EVE「รับจบ」での意味:失恋の痛みを“全部受け止める”
4EVEの新曲「รับจบ」では、このスラングの意味が恋愛に置き換えられています。
別れたいのに言い出せない相手の代わりに、主人公が“関係の終わり”と“痛み”をすべて受け止める=รับจบの役割を担うという切ない心情が描かれています。
さらに、「รับจบ(ラップジョップ)」は 「รับเจ็บ(ラップジェップ)」と音が似ているため、
・関係の“終わり”(จบ)を受け入れる
・“痛み”(เจ็บ)を受け止める
という二重の意味の言葉遊びになっており、楽曲のメッセージをより強く印象づけています。
4EVEの新曲「รับจบ」はタイの若者言葉を巧みに取り入れながら、恋愛の痛みや強さを描いた印象的な一曲です。スラングの背景を知ることで、歌詞に込められた感情がより深く伝わってきます。これをきっかけに、タイ語の面白さや4EVEの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。もし知りたいタイの言葉やスラングがあれば、コメントやXで気軽に教えてください!
[文・構成/タイナウ編集部]

