新旧問わず、音楽に親しんできたタイナウ編集部ワタナベが、未体験だったタイポップを聴いて綴る音楽鑑賞記。「サワディワタナベ」は未知のタイポップへのサワディ=こんにちは のご挨拶です。
今回聴いたのはミュージシャンではなく、タイの大人気女優・モデルの2人による楽曲。
歌うのはFreen フリーン(サロチャ・チャンキムハ)とBecky ベッキー(レベッカ・パトリシア・アームストロング)。
フリーン&ベッキー、フリーンベッキー、フリベキって呼ばれてたりもしますね。
この曲は、1950年代のタイ王国を舞台に2人が演じるラブストーリー「The Loyal Pin」というドラマのオフィシャルサウンドトラックのうちの1曲。
こちらはTELASAによる「The Loyal Pin」の紹介です。
’1950年代のタイ王国。高貴な血筋を引く王女Anil(アニン)と令嬢Pin(ピン)は幼い頃から一緒に育った仲。美しく賢いが茶目っ気もあるAnilと、対象的におとなしく従順で品行方正なPin。次第に互いへの愛を意識し始める二人だが、その関係を許さない周囲の状況を乗り越え、恋を成就させることができるのか?
GAP The Seriesの大ヒットで一躍タイを代表するGLカップルとなったFreenとBeckyの主演で送る、女性同士の甘くせつないラブストーリー。清楚な令嬢Pinの役をFreenが、朗らかな王女Anilの役をBeckyが演じます。’
https://www.telasa.jp/series/14993
MVのストーリーですが、フリーンとベッキー、タイのトップ女優2人がタイの観光地を巡って楽しむという設定がもうほっこり感満点です。
風景を映すための引きから2人の寄りカットまで、カメラワークのメリハリが効いていることもあって旅情たっぷりの癒し系映像になっていて、トゥクトゥクに乗って髪がなびくシーンなんて、見ている方もちょっと風を感じてしまいます。
最初にamazing THAILANDロゴが出てくることから観光面でのプロモーションの側面もあるようで食事シーンも多く、「あーん」シーンだったり、街の散策でも2人が至近距離で香水の香りをチェックするなど、癒しの中にもちょっとドキっとする恋愛的なニュアンスも散りばめられています。
そんな設定にばっちりハマっているのが歌と音づくり。
ドラマの時代設定も意識してか、タイの歌謡曲!という感じの曲になっていて、個人的にタイに生まれや育ちに関するゆかりのないサワディワタナベもどこか懐かしさを感じる心地よいメロディ、音です。
歌については、2人で歌う所もユニゾン歌唱にしたのがいいですね。
せっかく2人が歌うからハモってほしくなりそうな所ですが、ユニゾンだからこそ表現できる癒しが生まれたと思います。
そして音。なんといっても郷愁を誘うマリンバの音でしょう。バンブーのマリンバなのかな?
素朴でとってもいい音で、このマリンバに楽曲全体を引っ張る役割を担わせたのは大正解!
ザ・タイというシチュエーションの映像を観ながらこの音を聴くからこそ生まれる「涼」も堪能できます。
リズムがバスドラだけなのもいいですね。刻むために「ターン!」ていうスネア的な太鼓やシンバル系の金物も入れたくなりそうなもんですが、要らないですね。
バスドラの音も、ちょっと普通のバスドラより張りがゆるい感じというか、レトロな音に感じます。
いいアレンジです!
他にもフリーン&ベッキーの動画はたくさんありますが、個人的におもしろかったのは
BAZAAR Singapore(バザールシンガポール)のインタビュー動画。
楽曲から話がそれますが、これが2人ともかわいいんですよー。
途中からフリーンがタイ語で楽しそうに話してるのもとってもいい。チャイチャイ言ってる。(チャイ=Yes/はい)
「フリーンの隠された才能って何ですか?」の質問に対して首をかしげるフリーンの横で、ベッキーが、「フリーンは新しいことでも、ひとまず’できるよ!’って言って、それが彼女の新しい才能になっていくのよ」的な回答をしてるのが印象的でした。見習います…。
フリーンの歯ぎしりがすごいらしく、ベッキーがバラして、「言うなよ~」的なフリーンのリアクションもかわいい。
インタビューはベッキーの勉強のことにも及びます。
ベッキー「数学ムリ!科学ムリ!」(もう手でバッテンしちゃってます)
がっつり文系脳なんですね。あ、でもアートもダメだって言ってる。
他にも、フリーンはカラオケではBLACKPINKばっかり、ベッキーの最後の晩餐?はミルクティーなど、いろんな発見があって楽しいです。
仲のよさがリアクションに出ていていいですねー。
さて、話は戻りまして楽曲の方。
サワディーワタナベとしてはこれを定期的に見て安らぎを得るようにしたいなと思いました。
みなさんもぜひこのMVで、2人と共にタイの風を感じて癒されてください。
[文・構成/タイナウ編集部]