[写真 @shinetheseries公式インスタグラムより]
タイのバンコク出身のエディター、ギフト(←名前です)がタイポップの歌詞、スラング、ネット用語を独自に読み解く!読めばもっと理解が深まる、楽しめる!
最近終了したばかりのタイBLシリーズ「Shine」がタイ国内で大きな注目を集めています。KinnPorscheで世界的人気を博したマイルアポ(MileApo)コンビ(今回はアポマイルとなりますが)の再共演ということもあり、BLファンの間では期待が高まっていた注目の作品です。
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「Shine」概要
「Shine」は全8話構成のタイドラマで、毎週土曜日に配信され、9月20日に最終話が放送されました。BeOnCloudとタイ商務省の共同プロジェクトとして制作された意欲的な作品です。
あらすじ
物語の舞台は1969年のバンコクです。国家的な変化と制限された自由の時代、ある感情が声に出せずにいた時代に異なる道を歩む人生が交差します。 多様性に抵抗する時代を背景に1969年から1971年の政治的混乱の中で愛と理想の物語が展開されます。
主人公は原則を重んじる経済学者トリン(Trin)と、自由奔放なヒッピーのタンワー(Thanwa)。トリンは海外留学を終えて帰国したばかりの若き教育者で、1960年代後半のタイの政治的緊張の中で、セクシュアリティと個人的信念の両面で自分自身を発見していく物語です。そこに自由の境界をはるかに超えて生きる贅沢な未亡人モイラが現れ、彼らの人生を変えていきます。
豪華キャスト陣
キャストには、マイル/Mile(パークプーム・ロムサイトーン)アポ/Apo(ナタウィン・ワッタナキティパット)、ソン/Son(ユック・ソンパイサーン)、ユーロー/Euro(ヨッサワット・タワーピー)、パンパン/Punpun(スタッター・ウドムシン)、ゴブ/Kob(ピモンラット・ピソンヤブット)、ノック/Nok(シンチャイ・プレンパーニット)など、馴染み深い顔ぶれと新鮮な顔ぶれが揃っています。
[写真 @shinetheseries公式インスタグラムより]
タンワー・シャットボディ:MOONSHINEのボーカリスト
快楽主義でロマンチスト、「人生は一度きり、生も死も一度きりだから、自分が幸せだと感じられる形で思い切り生きるべきだ」と信じている。
[写真 @shinetheseries公式インスタグラムより]
トリン・スワンナパート:経済学の博士
フランスで博士号を取得し、社会に具体的な変化をもたらすためには、構造的な推進が必要だと信じている。
[写真 @shinetheseries公式インスタグラムより]
グライラート・スワンナパート:高級軍人
リーダーシップに優れ、理想に満ちているが、人生は望んでいたようには進まなかった。
[写真 @shinetheseries公式インスタグラムより]
ナラン・ピッタヤートーン:暴露ジャーナリスト
真実の追究に情熱を注ぎ、不正を告発することに強い意志を持っている。
[写真 @shinetheseries公式インスタグラムより]
ダーワディー・ワタナピサーン:大富豪の令嬢。
センスが良く、洗練された装いで自信に満ちている。
[写真 @shinetheseries公式インスタグラムより]
テーウィー・スワンナパート:高級軍人の娘
穏やかで慎ましい淑女であり、何事も正しくふさわしい形で行う。時代が求める正しい美の典型である。
[写真 @shinetheseries公式インスタグラムより]
モンティラー・テーシャサウェート:華やかな未亡人
自由奔放に生き、慣習にとらわれない。有能な女性実業家であり、「グランド・パラディーゾ」ホテルのオーナーでもある。
作品の歴史的背景
「Shine」が描く1969年から1971年のタイは国家的変革期の真っただ中でした。この時代は政治的混乱と社会的制約が厳しく、個人の自由や多様性が制限されていた重要な転換点です。
1969年の政治情勢:
・軍事政権下での厳格な社会統制
・学生運動や民主化要求の高まり
・西洋文化の流入とヒッピー文化の影響
・伝統的価値観と近代化の衝突
物語の主人公トリンは海外留学から帰国した経済学者で、西洋的価値観を身につけて故郷に戻ってきます。一方、タンワーは当時のカウンターカルチャーを象徴するヒッピーという設定です。この二人の出会いは1960年代後半のタイ社会が直面していた「伝統vs革新」「統制vs自由」という対立構造を象徴的に表現しています。
「Shine」は特に、この激動の時代背景を使って現在にも通じる社会的多様性や個人の自由の問題を描いた野心的な作品として評価されています。
なぜ今「Shine」なのか?
タイでは現在、BLドラマが単なるエンターテイメントを超えて、社会的メッセージを発信するメディアとしての役割を果たしています。「Shine」のように歴史的背景を持つ作品は過去の社会問題を通して現在の課題を考えさせる効果があり、視聴者からの支持も高くなっています。
また、政治的混乱期を舞台にしたラブストーリーは、困難な時代の中でも愛を貫く強さを描くため、多くの人の心を打つのでしょう。
視聴方法
「Shine」は現在WeTVで配信されています。南アジア、東南アジア、アメリカの一部地域で視聴可能です。日本での正式な放送開始まではしばらく時間がかかるかもしれませんが、その分期待して待ちましょう!
[文・構成/タイナウ編集部]